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ハント

「たっ、助けてくれぇ」

目の前には、裸の中高生ぐらいの男が膝をついて命乞いをしていた。

「裸にならないと能力が使えないなんて、間抜けだな」

私、雨宮憐は能力者を悪用する者たちを狩っている。

能力者は存在を知られていないことを良い事に、犯罪に使うケースがある。

例えば、目の前の男は自分の存在を消せる能力を利用して、万引きを行った。

私はこういった不正者が許せなかった。

法律で罰せられないのなら、私が罰する。

その考えに、賛同してくれて今では20人のグループとなっている。

「雨宮さん、こいつどうします?」

メンバーの一人が、耳打ちで聞いてくる。

私は親指で首を掻っ切るポーズをする。

「ひっ」

情けない声をあげるが、私は無視をして近づく。

「許さない」

男の顔にタバコの煙を吹きかける。

男は顔を歪め、むせ返っている。

次の瞬間、私は躊躇いもなく能力を使い、男の指を吹き飛ばす。

「うわぁぁぁ、指がァっ」

男の声が響く。

「万引きするような悪い手は、不自由にしないとな」

私は仲間の肩を叩く。

「後は任せた。私は白髪の能力者を探すよ」

「わ、わかりました」

今月に入って、人体の自然発火での死亡者が5人もいる。

もちろん、自然発火という現象自体はある。

私は、能力者を疑っていた。

仲間を使って、調べさせていたら、深夜の公園で炎を出している白髪の女の子を見たという情報が入った。

なんとしても、これ以上犠牲者を出さないために、その能力者を私は罰せなければならない。